今日は為替レートを動かす要素の1つ 通貨の需要について解説していくよ。ひとくちに需要と言っても色々な側面があるんだ。少し難しいところもあるけど、なんとなく理解すればOKだよ。
がんばります!!
通貨の需要とは?
為替レートは大きく分けて金利・需給・投機によって変動しています。ここでは、その中の需給の需要について主要なものを解説していきます。
通貨の需要は何によって決まる?
- 貿易需給
- 金利差
- 資本の移動
- 中央銀行の政策
- リスク回避行動
貿易需給
ある国が製品やサービスを他国から輸入する場合、輸入国が支払いを行うために輸出国の通貨を購入する必要があります。例えばアメリカから日本が軍事製品を購入する場合、日本は購入代金を米ドルで支払わなければならないため、日本円を売って米ドルを買うことになります。そのためその国の通貨の需要は相対的に減少します。
各国の経済指標の1つに貿易統計というものがありますが、貿易赤字の国は相対的に通貨が売られやすい傾向があります。輸出よりも輸入に頼っていることになりますので、慢性的に通貨が国外に流出することになるからです。
貿易需給の変化による為替への影響はとっても大きいんだ。
日本の貿易統計についてまとめた記事があるから勉強してみてね。
各国の金利差
国際的な金利の違いも通貨の需要に影響を与えます。例えば、ある国の金利が他国よりも高い場合、投資家はその国の通貨で資産を保有することでより高い利回りを得ようとします。その結果、その国の通貨の需要が高まります。
2022年3月以降アメリカが金利を上げたことにより、ゼロ金利を継続していた日本との金利差が拡大していき、近年の円安を引き起こす要因の1つとなりました。
金利差は投資家にとって非常に重要な判断材料になるんだ。下にまとめた記事があるから勉強してみてね。
資本の移動
海外からの直接投資や証券投資も通貨の需要を生み出します。外国の投資家がその国の株式や債券、不動産などを購入する際、その国の通貨が必要になるからです。
他方、その国の経済や政治に不安がある場合、資金が国外へ逃避し、その結果として国の通貨の需要が低下することがあります。最近では、中国の景気減速が懸念され一部の富裕層の資金が他国に流出しているとの観測もあります。
中央銀行の政策
中央銀行が外貨準備のために自国通貨を購入したり、為替市場に介入することで通貨の需要が変動します。
近年の日本では、急激な円安を懸念した財務省の指示により、2022年以降為替介入が度々実施されました。ひとたび為替介入が実施されるとレートが急激に変動し、様々な企業の経営に多大な影響を及ぼします。
為替介入って聞いたことがありますね。
ニュースでもよく報道してたからね。
為替介入については必ず知っておく必要があるよ。詳しく解説すると長くなるから別の記事を参考にしてね。
リスク回避行動
世界の経済や情勢の不安定さが増すと、投資家は「安全通貨」とみなされる通貨に資金を移すことがあり、その通貨の需要が高まることがあります。例えば、米ドルや永世中立国のスイスフランはしばしば安全通貨とされています。
なんとなく理解できました。需要にもいろんな要素があるんですね。
簡単に説明したけど、知っておいて欲しい重要なテーマだよ。もっと知りたい人はそれぞれの記事で掘り下げて学んでみてね。
通貨の需要まとめ
- 貿易需給 貿易赤字の国は通貨が売られやすい
- 金利差 金利の低い国から高い国の通貨に資金が移動する
- 資本の移動 経済や政治に不安がある場合、資金が国外へ逃避する
- 中央銀行の政策 外貨準備や為替介入によって資金が移動する
- リスク回避行動 安全通貨の需要が高まる