先生!!取引画面を眺めていたら、急にとんでもなくレートが動いてます!!
為替介入が実施されたんだね。
為替介入ってなんですか?
まだ教えてなかったね。じゃあ今日は為替介入について学習しようか。
為替介入とは?
為替介入とは、中央銀行が自国通貨の価値を安定させるために市場に介入し、通貨を売買することを指します。日本では、2022年以降財務省の命により日銀が度々為替介入をおこなっていましたが、日本以外の国も必要に応じて為替介入を行うことがあります。
一般的に中央銀行が為替介入を行う目的として、以下のような点を挙げることができます。
為替介入の目的
- 通貨価値の急激な変動の抑止
- インフレやデフレの抑制
- 輸出産業の保護
これらの3つの目的について、それぞれ簡単に解説していきます。
通貨価値の急激な変動の抑止
通貨価値の急激な変動は、貿易や経済に悪影響を及ぼす可能性があります。これを抑制するために介入が行われることがあります。
例えば日本では、2022年3月頃から世界と金利差が開いたことによって、今日の円安が始まり、当時その円安のスピードが急激であったことから結果として、輸入企業の収益を圧迫し、国民生活においては、ガソリンなどの天然資源の輸入価格の上昇によって家計を圧迫する事態となりました。
そのため、日本の財務省と日銀は円安の進行を緩やかにするために為替介入を実施しました。
インフレやデフレの抑制
通貨の価値が大きく変動すると、インフレやデフレが進行するリスクがあります。これを防ぐための調整が行われることがあります。
例えば、スイスの中央銀行は、自国のインフレ圧力を抑えるために、2023年国内総生産(GDP)の17%に当たる1,330億スイスフラン(約1,470億4,000万ドル)相当の外貨を売却して、自国通貨高に誘導しました。
輸出産業の保護
特に輸出依存型の経済において、通貨高は輸出企業の競争力を低下させるため、通貨安を促進するために介入が行われることがあります。
為替介入の方法
為替介入の方法としては、次の2パターンがあり、米ドル円を例に理解してみましょう。
為替介入のパターン
- 円安ドル高の是正がしたい→保有している外貨の米ドルを売って円を買う→円買い介入
- 円高ドル安の是正がしたい→自国通貨の円を売って外貨の米ドルを買う→円売り介入
上記のように自国通貨の売買によって、通貨の価値の是正をする訳ですが、資金の流れについては背景が少し異なります。
円買い介入の場合は、保有している外貨に限界がありますので、無制限に介入できるという訳ではありませんが、円売り介入の場合は、政府短期証券を発行することによって実質無制限に円資金を調達できますので、介入に制限はないとされています。
今日は前編の為替介入とは?について学習したよ。次回は後編の金融市場に及ぼす影響についてだね。
ありがとうございました。
為替介入について 前編まとめ
- 自国の通貨や経済を守るために実施される。
- 自国通貨買いと自国通貨売りの2パターンがある。