今日は、後編の為替介入が金融市場に及ぼす影響についてだね。
はやく知りたいです!
FXトレードへの影響
為替介入は、金融市場において重大な影響を与えます。一度介入が行われると、一瞬で相場が大きく動くことになり、利益を得るチャンスがある一方で、大きな損失を被るリスクも存在します。また、短期的なトレンドが変化するきっかけになる可能性もあります。
こちらは2022年の為替介入時のドル円の推移を表しています。9月と10月に計3回の為替介入が実施され、1回目と2回目では、わずか1時間の間に5円ほどの円高になり、3回目では中期的なトレンドが変化して、145円から130円ほどにまで約15円円高に進行しました。
えーそんなに影響があるんですか?
短時間の間に数兆円もの巨額の資金が投入されるからね。また介入に乗じて投資家の資金も大きく移動するんだ。
じゃあ僕はどうしたらいいんでしょうか・・・
初心者が知っておくべきポイント
為替介入はトレーダーの収支に大きな影響を与えるため、初心者の方は以下の点をあらかじめ学習しておく必要があります。
チェックポイント
- 過去の介入事例を学ぶ
- リスクの管理
- 常に最新情報をチェック
それぞれのチェックポイントについて、簡単に説明していきます。
過去の介入事例を学ぶ
先ほどのチャートグラフをもう一度みてみましょう。
1回目・2回目の為替介入では、確かに短時間で5円ほど円高となっていますが、結局は円安に戻ってトレンドが変化していないことが分かります。しかし3回目の為替介入では中期的にトレンドが変化していることがわかります。この違いは何なのでしょうか。
実は、為替介入自体には、基本的にそのトレンドを変化させる効力はありません。なぜなら、ちゃんとしたファンダメンタルズ(経済データ)による裏付けがあって投資家はトレンドを判断しているため、為替介入による一時的な調整があったとしても、中期的にはその裏付けに沿ったトレンドに収束する可能性が高いからです。
しかしながら、為替介入によって中央銀行の意思を外部に表明することができるため、市場に対する牽制効果があります。その間に経済データの推移から政府機関との対策を検討したり、諸外国の経済事情の変化や金融政策の変化によるトレンドの変化が起こるまでの時間稼ぎをします。
実際に3回目の為替介入による時間稼ぎの間にアメリカの経済指標がピークアウトした為、以降中期的に円高が進行し、145円から130円ほどにまで約15円円高が進行しました。
リスクの管理
為替介入による相場変動は予測が困難なため、リスク管理を徹底することが求められます。為替介入が話題となっている相場では、必ずストップロス注文を活用し、損失を最小限に抑える対策を講じましょう。
通常、為替介入が警戒されている相場では、その時のトレンドに沿ったポジション(円安相場なら円売りドル買い)を保有している人が多いはずです。
しかし一度介入が実施されれば、短時間で大きく反対側(円安相場なら円高)に動くため、損切設定をしていない場合、一度の損失で取り返しのつかない事態になる可能性もあります。
常に最新情報をチェック
いきなり為替介入があったりしたらと思うと怖いなぁ・・・
実は、為替介入が実施されるまでには、段階があるんだよ。
再々ですが、先ほどのチャートグラフをもう一度みてみましょう。
これは、あくまで日本の為替介入におけるパターンになりますが、いくつかの段階を経て介入に至っていることがわかります。
為替介入実施までの段階
- 当局者からの牽制発言(口先介入といいます)
- 日銀・財務省・政府による三者会合
- レートチェック(省略の場合も有り)
- 介入実施
このように、介入実施に至るまでには、かなりの期間と段階があり、それだけハードルが高いことを意味しています。なぜなら、前述の通り金融市場に与える影響が大きいため慎重な判断が求められるからです。実際2022年の介入実施は約24年ぶりのことでした。
FXトレーダーとしては、経済ニュースの最新情報から中央銀行の動きをチェックし、いまどの段階なのか、介入実施まではどのくらいの猶予があるのかを常に把握して自分のトレード戦略に組み込んでおく必要があります。
今日は、後編の為替介入の影響と初心者が知っておくべきポイントを学習したよ。
今回学んだことをトレードに生かしていきたいです。
為替介入について 後編まとめ
- 介入実施までには、かなりの期間と段階が必要
- リスク管理や戦略によってチャンスにもリスクにもなる