今日は為替市場に大きな影響を与えるアメリカの物価指数について学んでいくよ。
しっかりメモします。
物価指数とは?
物価指数とは、米国の物価動向を調べた経済指標のことで、 注目すべき指標は消費者物価指数(CPI)、生産者者物価指数(PPI)、PCEデフレーターになります。
これらの結果の良し悪しで、世界中のトレーダーや投資ファンドが米ドルを売買して為替レートが変動します。
それぞれのデータについて簡単に説明していきます。
消費者物価指数(CPI)
消費者物価指数(CPI)とは、消費者が購入する商品やサービスの価格の変動を図る指数になります。消費者が実際に経験する生活費の変化を測定し、物価上昇が家計に与える影響を把握するために使われます。
米国労働省労働統計局より毎月15日前後の21時30分(冬時間は22時30分)に発表されます。
物価上昇がピークアウトした2024年現在では、以前ほどの注目度はありませんが、中央銀行の政策運営に大きな影響を与えるため、投資にかかわる人にとっては、必須の知識になります。
消費者物価指数(CPI)の変動が為替市場に与える影響としては、次のように考えられています。
消費者物価指数(CPI)の上昇率が予想よりも高い場合、インフレ圧力が強いと見なされるため、中央銀行が金利を引き上げる可能性が高くなります。これが通貨の価値を上昇させる要因となります。
一方、上昇率が予想よりも低い場合、インフレ圧力が弱まったと見なされ、金利引き上げの可能性が低くなり、通貨の価値が下がる可能性があります。
生産者物価指数(PPI)
生産者物価指数(PPI)とは、生産者が販売する商品やサービスの価格の変動を図る指数です。卸売価格とも呼ばれることがあります。
米国労働省労働統計局より毎月15日前後の21時30分(冬時間は22時30分)に発表されます。
生産者の視点から価格の変動を把握し、生産者のコスト変動が最終価格(CPI)にどのように影響するかを判断する指標になるため、CPIの先行指標として利用されます。違いをまとめると以下のようになります。
CPI | 消費者物価指数 | 消費者の購入価格の動向 |
PPI | 生産者物価指数 | 生産者の卸売価格の動向 |
よく川の流れに例えられることがありますが、このような価格転嫁のイメージになります。
生産者物価指数(PPI)の変動が為替市場に与える影響としては、次のように考えられています。
生産者物価指数(PPI)の上昇率が予想よりも高い場合、川下の消費者物価指数(CPI)も上振れすることが予想されるため、インフレ期待の高まりとして為替市場に通貨高の影響を与えます。
PCEデフレーター
PCEデフレーターとは、消費者が購入する全ての財とサービスの価格変動を含む物価指数で、GDPデフレーターの一部としても使われ、消費者物価指数(CPI)より広範囲の家計支出を図る指標になります。
FRB(米国中央銀行)が金融政策を決める際に重視していると宣言されたことから、インフレ率を図る経済指標として注目を集めています。
PCEデフレーターの発表時刻は、米商務省経済分析局より毎月下旬の21時30分(冬時間は22時30分)となっています。
2020年~2024年までの推移を確認しますと、他のインフレ指標と同様に、2022年より始まったロシアによるウクライナ侵攻をきっかけとした世界的物価上昇も2024年現在では、落ち着きを見せています。
PCEデフレーターの結果は、FRBの金融政策に影響を与えるため、物価上昇率が市場予想と乖離した場合には、米ドルが大きく買われ、通貨の上昇要因となります。
反対に物価上昇率が落ち着いている、または、物価が下落している局面においては、米ドルが売られ、通貨の下落要因となります。
今日は、為替市場に大きな影響を与えるアメリカの物価指数について学んだよ。
物価指数にも色々あるんですね。勉強になりました。
物価指数が為替市場に与える影響は、物価上昇時と下降時で異なるから、いまはインフレとデフレどちらが問題なのか経済状態を確認することが必要だよ。
米物価指数について まとめ
- CPIは消費者目線の物価指数(川下)
- PPIは生産者目線の物価指数(川上)
- PCEデフレーターは経済全体の物価指数