今日は、私たちの生活にも係わる日銀金融政策決定会合について学習していくよ。トレーダーとして何を理解すべきなのかを学んでね。
ぜひ知りたいです。
日銀金融政策決定会合とは?
日銀金融政策決定会合は、日本銀行が年に8回(約6週間ごと)開催する金融政策を決定する会合になります。
この会合では、日本経済の現状や今後の見通しを踏まえ、政策金利や金融緩和策などの金融政策の方向性が話し合われます。
議論される内容
- 政策金利の設定
- 金融緩和策
- 経済見通し・インフレ目標
そもそも日銀ってなにやってるの?って人はこっちを見てね。
内容によっては、日本の金融市場や為替市場に大きな影響を与えるため、FXトレーダーにとって重要なイベントになります。
金融政策の発表はおおよそ午前11時30分~となっており、先進国で唯一時間が決まっていません。
その後午後3時30分より日銀総裁の記者会見となります。
議論される内容
私たち日本人からすると、他国の金融政策は為替市場に影響する材料にすぎませんが、日銀金融政策決定会合だけは、生活に直接影響する会合になりますので、内容を簡単に理解しておきましょう。
1.政策金利の設定
日本の政策金利である「無担保コール翌日物金利」を決定します。
この金利を操作すると、個人や企業が銀行から借り入れするときの金利が変動するため、間接的に日本経済の景気をコントロールすることになります。
しかしながら、日本では長年低金利政策が続いており、政策金利を大きく動かす機会は少ないものの、その分利上げや利下げの方向性が示されれば市場に大きな影響を及ぼすことになります。
2.金融緩和策
日銀は金利政策だけでなく、「量的・質的金融緩和(QQE)」という政策を通じて、国債や上場投資信託(ETF)などの資産を購入し、市場に資金を供給することで経済の底支えを行っていますが、その都度の経済情勢に応じて、この政策の規模や方向性の修正も会合で議論されることになります。
また、「イールドカーブ・コントロール(YCC)」という政策では、日本国債を大量に購入し、長期金利(10年国債の利回り)を低く抑えることによって景気刺激を図ってきました。
しかしながらYCCは経済対策として、諸刃の剣であり、現在は大量に購入した国債の処分を判断する出口戦略のタイミングに苦しんでいます。
3.経済見通し・インフレ目標
金融政策決定会合では、現在の経済状況や今後の見通し、特に物価の見通し(インフレ率)が議論されます。
日銀の目標は2%の安定的な物価上昇ですが、日本は長年続いたデフレから中々脱却できず、低インフレ状態が続いており、インフレ率の見通しやその物価対策が注目されています。
ちなみに現在の物価上昇は円安が招いた輸入物価の上昇に起因するものであり、日銀が本来目指す消費の拡大から発生するものではありません。
後半へつづく
全て説明するのは長いので2回に分けるね。次回は会合の重要性とトレーダーが取るべき行動についてだよ。
後半もよろしくお願いします。
日銀金融政策決定会合 前編まとめ
- 年に8回金融政策について会合を行う
- 政策金利の変動に注目
- 経済見通し・インフレ目標に注目